Nagiなブログ

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「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展(東京国立近代美術館)行って来ました!

今年の展覧会納めになると思います。

「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展・・感想

会場は東京国立近代美術館です。

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熊谷守一という画家は知ってはいたけれど、特別に意識をして興味を持っていたわけではありません。が、好きな絵ではありました。

先日、テレビ東京美の巨人たちという番組で取り上げられていました。芸大を卒業はするものの、決して順調な画業ではなかったようで、貧困が続いた。結婚後は5人の子どもに恵まれたが、貧乏のあまり次男の陽が肺炎に罹ったときも医者にみせることができず死なせてしまったほど。その陽の亡骸を熊谷は絵に描いていた。今回の展覧会では、その作品も展示されていました。凄まじい迫力でした。

"仙人"のような生活をしていたようで、なんと30年間もほとんど家から出なかったというから、驚きです。それでも、周りに息づいている命や自然は、尽きることなく絵の題材となりえて行ったのです。

いくら出不精の私でも、さすがに"仙人“にはなれません。でも、なんか憧れはありますね…

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展覧会は、初期から始まります。が、忠実に順番というのではなく、前後もします。

初期

写実的な絵が主になっていて、芸大っぽさを感じました。自画像は、実直さが出ていてこの先の画風の変化はまだ垣間見られない。(この芸大の卒業制作の課題の、今も変わらぬ【自画像】って、とても興味深いです。)

1920年位から徐々に画風が変化していく。色彩も明るくなり、形も単純化していく。いわゆる、「フォービズム」の片鱗が見え始める。《ひまわり》(1928)やその周辺の絵画に惹かれました。先ほど述べた次男の陽が亡くなった時に描いた《陽が死んだ日》(1928)と同じ年に描かれたものです。色彩も筆使いも、本当に素晴らしい。私は、晩年の静かな絵しか知らなかったので、とても新鮮で感銘を受けました。

中期

激しい筆使いが消え、形がどんどん単純化していく。「赤い輪郭」が登場してくる。陽の光が輪郭を生んだというきっかけもあったということですが、この「赤い輪郭」が素晴らしい!《ヤキバノカエリ》(1956)などは、単純な平坦なフォルムに「赤い輪郭」。単純なのに、

凄い説得力!

この絵は、長女の萬が21歳で結核で他界したの時のその名の通り、《ヤキバノカエリ》なのである。向かって右側の男性は、本人であろう白い髭だけが描かれている。足の向きもおかしい。

悲しみは伝わってくる・・

私は、1940年頃の絵が特に好きです。単純化されたフォルムの中に、色彩によって動きが感じられ「静」と「動」が一体化している。

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《湯檜會の朝》(1940)

この頃の絵が一番いわゆる「フォービズム」を感じさせます。こういう絵って、簡単そうに見えますが、本当にデッサン力がないと絶対に描けません。力のある人が描いた絵です。なので、こういう絵にとても魅せられます。他にも、《漆樹紅葉》(1942)《椿》(1948)など、とても惹きつけられました。

後期~晩年

身近にあるものを、描くようになる。代表的なものに「猫・魚・虫・花」などです。ここからが、一般的に知られた熊谷守一という画家が描いた「絵」ではないでしょうか…

できるだけ余分なものを排除したフォルムと平坦な形。単純化した色彩。究極な「美」であります。まさしく"仙人"が描いた「力」です。鋭い観察力で、時に優しく時にコミカルに描き上げます。

 

あと、来年5月より「モリのいる場所」という映画が全国ロードショーの予定です。これは、画家熊谷守一の物語で熊谷守一役に山崎努さんと、奥さん役に樹木希林さんが出演されます。まだちょっと先ですが、楽しみですね!

mori-movie.com

 1977年に97歳まで描き続けた画家熊谷守一の、作品を200点も一度に見ることができ、展覧会の題になっている

「生きるよろこび」

を感じることのできた、貴重な展覧会でした。

(水墨・書・スケッチは前期(~1/21)、後期(1/23~3/21)展示替があるそうです。)