Nagiなブログ

アートやスポーツや好きなものいっぱい!

NHKbsで「画家 絹谷幸二と絹谷香菜子」を見た!

昨夜、NHKbsプレミアムで放送された

「挑戦!父と娘が描く生命の輝き~画家 絹谷幸二と香菜子~」を見ました。

f:id:nagi-arts:20171005160619j:plain
www6.nhk.or.jp

 

「安井賞」という当時新人画家の登竜門であった、大きな賞の展覧会が年に一度開催されていました。1997年をもって残念ながら打ち切りとなってしまったのですが、私はセゾン美術館の頃に毎年のように見に行ったものでした。

この賞は、安井會太郎の画業の顕彰、現代美術の具象的画家の発掘・育成と現代美術の振興を目的に設定され、第40回まで続いた。賞の実施は、コンクール方式だが、広く公募するものではなく、美術団体と美術評論家等の有識者から推薦された作品を収集展示して選考する方式であった。安井賞 - Wikipedia

毎年、とても楽しみにしていた展覧会でした。私が数多くのこの賞の中で一番印象に残っている作品は、何といっても

第17回安井賞展にて安井賞を受賞した

絹谷幸二≪アンセルモ氏の肖像≫

です。最年少(31歳)での受賞でした。色彩が強烈な上にフレスコ画であることが、とても新鮮で、新しい題材と古い画法がマッチして、本当に新しい驚きでした。

kinutani.jp

以来、日本画壇で常にトップを走り続け、精力的に活動し続けている絹谷幸二氏なのであります。

私は、絹谷氏の私生活などはまるで知らなかったのですが、今回娘さんとの共作のドキュメントを、テレビで放映すると知りました。

 

絹谷氏が74才であると知り、意外と若いなぁと思ったのですが…テレビで見るとお年よりさらに若くみえますね。実は、娘さんが画家であるとは知らなかったのですが、父親と相反して、墨で描く日本画だったのですね。しかも、写実的な画風で、これは偉大な父親を意識しての、真逆な選択なのかと思われました。

番組での香菜子さんの絵は、上手いのだけれど、いまいちの迫力に欠けるというか…インパクトが小さいと私は感じました。(お父上と比べたわけではありません)

 さてこの親子が、共作することになるのですが。

 

まず私が感じたのが、こういう企画ってほとんどが「親ばか」ぶりを発揮して、作品を作る以前に辟易とさせられてしまうことが多いです。ところが、この親子は

全然違った!!

幸二氏はあくまでも、画家の目で作品を制作していました。娘であれ、絵を描くということは、彼にとって自分自身であり、決して父親の目ではないのだと、映し出されていました。香菜子さんの方は、やはり父親との初めての仕事で、しかも父親の仕事の現場を始めて見たわけですから、もちろん父親としての意識はあったように見えましたが、甘えが一切ない。逆に危機感しかない。ようでした。

 

番組の途中で、奥様も交えてのお食事風景が映し出されるのですが、香菜子さんが美術の道に進むことに対しても何も言わなかった、これまで絵について語り合ったこともない。そのことに対して幸二氏は

「指導しないことが、指導なんだ」

「画家の子どもは、その親の道を追うようでは、親の道のなぞり(模写の精神)になるだけで、想像力の精神ではない」

 

自分の絵を貫いてきた信念を持つ芸術家としても、父親としても、凄い人間力のある方だと感じました。

そして、二人での制作が進む中で、途中で幸二氏がギアを上げる。すると香菜子さん、もう親子の枠を越えて、作家同士創作の戦いになっていく!

私がインパクトが…などと、先ほど香菜子さんの絵の所で述べましたが、面白いように殻がはじけていくのが見えました!素晴らしいです!

芸術は人生

人生も芸術

と言い放った画家は、絵によってすべてを表現していくのだと、感動させられました。

最後に、作品が完成した後の食卓で

「娘と、コラボできるなんて本当にありえないことで…」と言っていた、幸二氏の顔は、父親以外の何者でもない顔をしていました(^^)